叶えられた祈り

2006年10月15日 読書
内容(「BOOK」データベースより)
ハイソサエティの退廃的な生活。それをニヒルに眺めながらも、そんな世界にあこがれている作家志望の男娼。この青年こそ著者自身の分身である。また実在人物の内輪話も数多く描かれていたので、社交界の人々を激怒させた。自ら最高傑作と称しながらも、ついに未完に終わったため、残りの原稿がどこかに存在するのでは、という噂も。著者を苦しませ破滅へと追い込んだ問題の遺作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
カポーティ,トルーマン
1924‐1984。ルイジアナ州ニューオーリンズ生れ。21歳の時「ミリアム」でO・ヘンリ賞を受賞(同賞は計3回受賞)。’48年『遠い声遠い部屋』を刊行、早熟の天才―恐るべき子供、と注目を浴びた。晩年はアルコールと薬物中毒に苦しみ、ハリウッドの友人宅で急死した

川本 三郎
1944年生れ。評論家


今日はバイトだった。帰ってきて、佐々木倫子のマンガを読んで元気が出る。「Heaven?」というタイトルの本、3巻から6巻まで。途中から読んだのだけれど、とても面白かった。

夕方、両親は少し遅れて帰ってきた。ダンボールを抱えた母のうしろから、帰宅第一声、父は「今日の晩飯は豪華だぜい。」と陽気に言った。

母が苦笑い。

そんなわけで30分後、僕ら3人はチキンラーメンをすすっていた。
「な、今日は豪華だろ?」と父が笑顔で言ったので、「そうだね」と言った。チキンラーメンはうまい。体に悪そうな味だが、たまに食べたくなる。

結局、金井美恵子の小説はほったらかし。

今は、この本を読んでいる。カポーティの小説どころか、外国の小説はほとんど読んだことがなかったので、ちょっと新鮮。
どうやら、この作品は、ゴシップ小説と形容されるらしいけど、そういうのを読んだのもはじめてだ。カポーティの遺作らしいです。読み始めてから、知りました

まだ1章しか読んでいないし、最後まで読むかどうかも怪しいけれど。すこし安心するような事が書いてあったところがあった。それがいいことかどうかはわからない。

コレットがP・Bジョーンズにペーパーウェイトをあげるシーンで。
彼女はこんなこんなことを言っている。

「それをポケットにお入れなさい。ずっと持っていてそれを見ては、永遠や完璧さをのぞんだり、大人になることをのぞむのは、結局、オブジェか祭壇かステンドグラスの窓のなかの聖人になることでしかないということを思い出しなさい。どれもみんな大事にはされるかもしれないけど、そんなものになるより、くしゃみをしたり人間らしさを感じたりするほうがずっといいのよ。」

ここでの、大人になる、という表現は、「」で括ってもいい場所かもしれない。

それより少し前のページで、「大人になりたいんです」と言ったジョーンズに、コレットは「大人になるっていうことは、知性だけのひからびた服を着た人間になるってことなの?羨望とか悪意とか貪欲さとか罪とか、そうした欠点をみんななくしてしまうこと?」と問いかけている。

こういうふうに、それらしいモットーを引き合いに出して読んでしまう時点で、自分(24歳)の人生経験の無さをさらしているようで、残念だけど、実際問題、こういうところに反応してしまっているのだから仕方がない。

要は「無菌同然の場所じゃ、息がつまる」ってことじゃないかと思う。いや、ちがうかも...
「完璧な人格者になんかなれないし、目指す必要ない」ってことかな...これも違う気もする。つーか、一行で言えることを言うだけなら、もともと小説なんか書いてないよね。

「Heaven?」のオーナーは、自己中でわがままで、どうしようもないくらい子供じみているところがあると思うけど、魅力的に感じる。
実際、あんな人を相手にしたら、疲れてしまうだろうけど。

でも、社会の構成員になるためには、程度に差があったり、表面的にだったりしたとしても「大人になる」ことを求められると思う。みんながみんな、マンガの中のオーナーのように振舞えないし、振舞う気にはなれない。だからこそ、伊賀君や伊賀君の祖父が彼女に対して、羨ましさを感じてしまうのだと思う。

(勘違いでなければ、マンガに書いてあることを、路襲してます。)

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